集会は、名古屋市教育センターで行われました。
200〜300人の人が集まりました。
はじめに、中嶋哲彦さんが講演をしました。
中嶋哲彦さんは、前に犬山市の教育委員をやっていて、そのときに全国学力テストを唯一実施しなかった自治体の教育委員として注目を集めた人です。

講演する中嶋哲彦氏
その時々の市長、町長、村長の考えで教育が変わってしまう中嶋氏は今回の法改正のの問題点として、「首長主導型教育行政制度への変換」をあげました。現在ある教育委員長をなくし、教育長だけとして、その教育長を行政の長が決めるというものです。
また、教育委員会は、行政の長が定める「教育大綱」を尊重しなければなりません。教育委員会がその内容に反対でも行政の長が盛り込んだ内容は、尊重しなければならないのです。
さらに、行政と教育委員会が協議する「教育総合会議」は、行政の長が必要と思ったときには、いつでも協議を行い、随時、教育への介入ができる仕組みになっています。
ワンマン教育長が当たり前に次に、教育委員会内部でも教育委員の中で教育長の権限が強まり、ワンマン教育長が今以上に増えることを指摘しました。常勤である教育長を他の教育委員が指揮、監督をしていたこれまでの制度を変え、教育長がこれまでの教育委員長と教育長の権限を併せ持つことになったのです。犬山市でも実際に教育長を指揮、監督した経緯があり、この制度の重要さを指摘しました。この制度がなくなることで、行政の意のままになるワンマン教育長ができ、結局行政の意向がストレートに教育に反映されることになります。
中央集権的教育行政に文部科学省の意向を参考にすること。改正案には、「教育大綱」を決める際には、文部科学省が決める「教育計画」を参考にすることをしっかり盛り込んでいます。そして、国の計画を実行しない自治体には予算をつけないという手段で統制しようとしています。国が地方自治体に介入できるように、「是正指示」「是正要求」という制度を設け、特に文部科学大臣が「教育を受ける権利が侵害されている」と判断すれば、いつでも「是正要求」ができるようになっています。(ただし、今回は公明党等の反対で見送るとしているようです)
なぜ?その狙いは?教育委員会制度改悪のねらいはどこにあるのか。中嶋氏は次のように語りました。
再分配型教育制度から資本蓄積型教育制度への転換ちょっと言葉としては、難しいのですが、ようするに、教育を国民の権利として理解し、教育を公費で行うという憲法の原則をくずし、大企業が求める人材育成としての教育すなわち、エリート育成には大金をつぎ込むが国民の教育には金を出さない教育だと。
その問題の焦眉の問題として「学校統廃合問題」を示し、佐賀県では一方でエリート育成高校をつくりながら県立高校は高校生が集まらないなどの理由で統廃合しようとしていると批判しました。
元犬山市長 石田氏特別発言として元犬山市長の石田氏が発言しました。彼は短い言葉の中に多くの示唆にとんだ発言をしました。
・現場の教師のやる気を引き出すのが教育委員会の仕事
・現在の教育委員会制度が戦争の反省から生まれたという原点に返るべきだ。戦後の民主教育を現実のものとして支えているのが教育委員会制度だ。
・「日本を取り戻す」というが、取り戻す日本は戦前の日本だ。
・「犬山の教育は犬山の手で」は、私には感触があった。
・経済大国は軍事大国になりやすい。
・教員は政治的信念を持つべきであり、また子どもに語るべきである。
畦地議長が集会決議を発表この後、愛労連議長の榑松氏、愛高教の笹山委員長が発言し、愛教労の畦地議長が集会決議を読み上げました。

決議文を読む畦地議長
posted by kyoro at 19:32|
安倍「教育再生」反対
|

|