2015年01月05日

超ブラックの中学校の現場(刈谷市の中学校の例)

前回に引き続き、三河部の学校現場をリポートします。今回は刈谷市のM中学校の例です。
在校時間調べによって4月から10月までの時間外勤務の時間を調べました。
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この表をグラフにすると、以下のようになります。
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あまりにも100時間超の職員が多い
100時間を超えて時間外労働をしている教員がいたら、管理職は、その人の申し出により医者との面接をさせなければなりません。それは法律によって決められています。
100時間を超えたら、産業医と面接しなければならない
労働安全衛生法
(面接指導等) 第六十六条の八  事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。

労働安全衛生規則
(面接指導の対象となる労働者の要件等) 第五十二条の二  法第六十六条の八第一項 の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり百時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。ただし、次項の期日前一月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。
2  前項の超えた時間の算定は、毎月一回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。


80時間を超えたら、過労死してもおかしくない
しかし、100時間以内ならいいというのではありません。過労死と長時間労働について厚労省は、以下のように注意を促がしています。

「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」
(1) 発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
(2) 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。


この中学校では時間外勤務が100時間を超える教員が8月を除き毎月半数を超えています。
また、職員ごとに調べたところ、8月を除きどの月も100時間を超えて時間外労働をしている教員が40人中18人(45%)もいました。9月には、時間外労働時間が300時間という方も見えました。
 調べていてこの中学校の教員の人たちがかわいそうに思えて仕方がありませんでした。校長、教育委員会の責任はますます大きいと感じました。
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2014年12月15日

振り替えをとらせるのは校長の義務

三河教労は、ブラック企業化している学校現場を少しでも改善するために、勤務時間の情報公開を行っています。
今回は、豊田市のH中学校についてです。H中学校では、平成26年5月に宿泊学習を行いました。2泊3日の日程です

24時間臨戦態勢の宿泊学習
 宿泊学習は、子どもにとってはとても魅力的な学習ですが、教員にとっては大変ハードな勤務となります。
朝は6時から勤務です。朝起きると、教員は朝食の食材の準備などの仕事から始まり、夜子どもたちが寝静まるまでの間、たえず子どもたちと向き合いながら活動を続けています。すこしでも充実した、感動のある宿泊学習をと教員は休む暇なく活動をしています。夜も、眠れない子や騒いでる子を指導したりして絶えず子どもの安全や健康を守っています。休憩なんてないというのが実感です。

働きすぎを他の日に振り替える
 教員に残業手当はありません。したがって、働きすぎたときは、時間で調整しています。上記のように宿泊学習では、1日の正規の勤務時間7時間45分を上回って仕事をしているので、他の日の勤務時間に替わりに休むことにしています。
 この中学校では、3日間で合計19時間45分の働きすぎを認め、職員に他の日を休ませることにしました。まず、5月9日(金)を学年休業ということで休ませました。残りの12時間は、各教員の希望に応じて休ませることにしたようです。

休んでいい日、休んでいい時間に
学校に来ている教員が12名も(14名中)
 このことを表す書類があります。「勤務時間の割り振り変更簿」といわれるものです。この書類を情報開示したところ、教員が休んでいい日・時間に休んでいないことが分かりました。
 関係の教員が14名いましたが、この休んでいい12時間を確実に休んだ教員は2名しかいませんでした。残りの12名は、学校に来ているのです。(このことは「在校時間記録」によってわかりました。)

校長の責任は大きい
 勤務時間の管理は、校長の責任です。教員に「この日は休むこと」と命じた以上、その教員が安心して休めるように仕事を調節する義務があります。そして、必ず教員を休ませるようにするべきです。「教員が自主的に学校に来て仕事をするのは仕方がない」などの言い訳は通用しません。なぜなら、校長は職員が健康で安全に学校で仕事ができるようにする義務(安全配慮義務)があるからです。14名中12名のもの教員が振り替えられた休みを取らずに学校で仕事をしているというのは、校長が安全配慮義務を怠ったとしか思えません。
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2014年09月29日

厚労省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」

上記厚労省通知を「資料室」にアップしました。

現在の在校時間記録の大本となった厚生労働省の通知です。2001年4月6日に出されました。これから既に13年も経過しているのに、いまだに在校時間記録が適正に運用されていない現実があります。
厚労省「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関する基準について」.pdf
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2014年07月30日

岡崎市教委へ勤務時間管理の申し入れ

7月30日、三河教労は岡崎市教委に勤務時間管理についての申し入れを行いました。

県教委に虚偽報告をした岡崎市教委
岡崎市教委は、昨年11月県下一斉に行われた勤務時間調査において異様に少ない時間外勤務時間を報告していました。

時間外勤務時間100時間超の人数 中学校  6人、小学校 0人
同じく80時間超の人数      中学校 14人、小学校 5人

ところが、あまりに少ないので県教委から指導が入り、再報告を求められました。
その結果は

時間外勤務時間100時間超の人数 中学校 110人、小学校 17人
同じく80時間超の人数      中学校  99人、小学校 70人

私たちは、岡崎市教委との交渉において、この問題を指摘し、他の市町に比べあまりにも少なすぎる、管理職から少なく記録するように強要されているのではないか、と追及しました。

ところが、市教委は、「先生たちが工夫して仕事をしている」とか「最終施錠は教頭がしていて、一般職員は早く帰っている」などといい加減な回答に終始しました。

そこで、なぜ虚偽報告をしたのか、今後どうするのか、組合に対して誠実に対応せよの3点の申入れを行いました。

岡崎の時間外勤務は『従事時間』
すると、岡崎市教委は「岡崎では時間外勤務の時間は、実際に仕事に従事していた時間を記録するようにしている。退校時間までの間に食事をしたり、家に帰ったような時間を含めないようにしている」と回答しました。

「従事時間記録」は職員へのプレッシャー
しかし、こんなことはまれであり、特別な例です。こうした特別なことを持ち出して、少しでも時間外労働時間を短くさせようという狙いは明白です。「従事時間を記録」は職員に正確な在校時間記録への大きなプレッシャーになっています。実際この「従事時間の記録」によって209人いた過労死ラインの80時間超の職員のうち189人の職員の方が、80時間未満にさせられたのです。

そもそも在校時間記録は職員の健康を守るために始められたものです。岡崎では在校時間を記録することによって、職員自らがで自分の労働時間を短く記録させられ、健康破壊を招くための記録となっているのです。

三河教労は岡崎市での在校時間の記録方法を改善するよう強く求めます。
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2014年06月28日

中学教員、日本が最も多忙

中学教員最も多忙(中日新聞6月26日).gif

6月26日中日新聞に教員の実態を報道する記事がありました。
記事によるとOECDの調査で、日本の中学校教員の仕事時間が、週53・9時間と参加した34か国中最も多いことが分かりました。

参加国の平均仕事時間は、週38・3時間で日本だけが50時間を超えているそうです。
その中で、部活動の時間は日本が7・7時間(平均2・1時間)でした。

文部科学省は「事務職員を増やすなどして教員の負担を減らしたい」旨のコメントを出していますが、長時間労働の主原因の部活動については、コメントがありませんでした。
posted by kyoro at 05:49| 勤務時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月18日

再任用制度の適正な運用を(豊田市教育委員会に申し入れ)

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 三河教労は、5月16日、再任用制度の適正な運用を求めて、豊田市教育委員会に申入れを行いました。
特に短時間の再任用について正しく認識していない校長がいるとして、次のような例を挙げました。

・春休みに、校長に「再任用は時間給だから、授業が始まったら学校に来てくれていい。」と言われたので、「いや月給なので、4月1日からうかがいます。」と答えた。
・校長に「8時30分から午後2時30分まで勤務すること」と言われた。現在もその勤務になっている。
・週4日の勤務だが、火曜日には5時間目の授業が組まれている。
・校長に「短時間の再任用は週20時間だから」と言われたので、「19時間20分です。」と答えた。
・本来短時間再任用の勤務日でない土曜日の運動会や学芸会などの行事、あるいはその準備の計画に、本人の知らないところで名前が出ていて、事後に「なるべく出て欲しい。」と言われた。
・本来勤務時間には当たらない午後の現職教育にでなくてもいいのか、と問われた。

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 再任用制度が始まってから数年が経過しているにもかかわらず、再任用制度について管理職が正しく認識せず時間を超えて勤務させたり、本来の業務ではない担任業務をさせていたりしています。
 そこで、以下の3点を申し入れました。

1 短時間再任用教員は週19時間20分であり、その時間を超えないようにすること。またやむを得ず超えた場合には、速やかに勤務時間の割り振り変更を行うこと。
2 短時間再任用教員の業務は、小学校の場合、少人数指導、拠点校指導または教科担任であり、それ以外の業務は命令しないようにすること。また、やむを得ず本務以外の業務を命令する場合は、本人の納得を得てからにすること。
3 豊田市の短時間再任用教員の勤務実態を調べ、適正でない場合は是正させること。

再任用制度申入れ(豊田市).pdf
posted by kyoro at 06:55| 勤務時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月19日

在校時間の記録を書こう

何年か前から出勤簿がなくなりました。
そして、在校時間の記録が始まりました。

職員の方の中には、ただでさえ忙しい現場でまた一つ仕事が増えた、煩わしいと感じている方も見えると思います。
しかし、在校時間の記録は、職員の勤務の証拠となるものです。
出勤時刻と退校時刻を記録することで、時間外労働がどれだけあったかを記録します。
何かの理由で病気や事故があったとき、それが公務によって引き起こされたものかどうかを調べる決め手となります。
なので、在校時間の記録は正確に記録する必要があります。

1 毎日こまめに記録しましょう
 後で書こうとすると、忘れていて、結局毎日同じ時刻に出勤、退勤という記録になりがちです。これでは、何かあったときに、証拠としての値打ちがなくなってしまいます。毎日メモ用紙を置いて、忘れないうちに書いておきましょう。

2 時間外の時間は、「在校時間−7時間45分」です 
 現在、多くの市町村では時間外時間の計算方法を「在校時間−8時間30分」としています。これは、勤務時間内の45分間の休憩が取れたものという虚構に基づいています。実際は、休憩時間は取れていません。
 そこで、時間外勤務の時間が「在校時間−7時間45分」となるように記録しましょう。組合として、各市教委に、この点を改善するよう要求していますが、自分でも直すことができます。

3 土曜日、日曜日の勤務もしっかり記録しましょう
 土曜日に、部活動や学校行事、教材研究、ノート・プリントの丸付けなどで在校したら、立派な勤務です。記録簿に記録して置きましょう。土日に勤務した場合、本来なら勤務の振り替え、特殊勤務手当て(部活動など)の対象となります。管理職に申し出ましょう。

4 出張しても、その時間は勤務しています
 出張したら、その時間は学校にいないから在校時間に記録しないという「指導」がありますが、この在校時間記録の趣旨は職員の健康を守るために、在校時間を記録するものです。だから、出張しているときも働いていることをしっかり記録し、健康を守る記録とする必要があります。

5 時間休をとったら、その時間は1日の勤務時間から差し引いて計算しましょう。
 1日の労働時間は7時間45分ですが、時間休を取った場合当然労働時間は短くなります。

6 野外学習、修学旅行などの勤務も記録しましょう
 宿泊を伴う勤務も、別途「泊を伴う勤務の記録簿」に記載しますが、毎日の在校時間記録簿にもきちんと記録しておきましょう。そこだけ空白となり、出勤していないことにならないようにしましょう。

資料 2010年3月5日愛知県教委が通知した在校時間記録に関する文書
2010.3.5県教委通知「在校時間等の状況記録 県立学校」.pdf
posted by kyoro at 09:23| 勤務時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

えっ短時間再任用なのに毎日6時間勤務!?

午後2時30分まで勤務
今年短時間の再任用の方の話です。
豊田市の小学校に勤めています。
話を聞くと、週4日で毎日8時30分から午後2時30分まで勤務しているとのこと。
「校長から2時30分まで勤務してくれといわれた」
「月曜日から、木曜日の週4日間で、火曜日は午後の授業がある」
「初めは『時間給じゃないか、』といっていたので、『いや月給じゃないですか』とこちらから言った」
とも言っていました。

愛知県の制度に反する違法行為
あきれた話です。
校長をはじめ管理職が再任用について全く無知です。
短時間再任用は、週19時間20分と愛知県で決められています。そのかたは週24時間も労働させられています。
実態は無知では済まされません。
労基法違反です。出るところに出たら罰金もんです。
校長にこの違法行為を知らせ、是正させる必要があります。
再任用手続き.pdf
posted by kyoro at 08:40| 勤務時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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