2014年10月08日

教員は将棋の駒ではない 問答無用の人事の豊田市人異動希望調査票

豊田市教委今年度から市統一の人事異動希望調査票
豊田市は、本年度人事異動希望調査票を豊田市統一のものにしました。
これまでは、各学校の校長が任意の方法で教職員の異動希望調査を行い、その内容を市教委に報告していました。しかし、市教委にとっては間接的希望調査のために、本人の希望が正確に伝わらなかったり、校長の意向が反映したりして、校長による恣意的な人事がおこりやすい状況がありました。
今年度、豊田市教委が市統一の異動希望調査票を作成することで、そうした弊害がなくなり、市教委が直接教職員の希望を把握することができると、期待しました。

教員を将棋の駒のように
ところが、今年9月に市教委から出された調査票はとんでもないもので、市教委が教職員を将棋の駒のように扱っているのではないかと疑われても仕方のない内容です。

教職員の希望が圧殺されている
この調査票では、異動希望欄に希望する学校名を書く欄がありません。希望するかどうかを聞くだけなので、希望しても職員がどこの地域を望んでいるのか、市教委は把握することができません。逆にどこに転勤になっても文句が言えないようになっています。さらに、「一任」という選択肢まであります。これは、本人の希望を調査するという本来の趣旨から外れており、本人の希望を捨てさせるものです。

一番肝心な本人の個人的な事情がかけない
この希望調査票には、例文が記載されていますが、なんと異動を希望する理由が「中学校での国語科のよりよい指導方法を追求したい」からとあります。確かにそういう人もいるかもしれませんが、人事で一番肝心なことは、本人の個人的な理由を含む、通勤距離などの労働条件です。異動希望は、わがままではありません。新しい職場でよりよい労働条件の下で働くためのものです。市教委の都合ばかりを優先させていては、教職員の労働条件が軽んじられてしまいます。

研究や論文をどれだけやったか
さらに、この希望調査の裏面には「研究や論文をどれだけやったか」を記入する欄があります。どうしてこんなことを書く必要があるのでしょう。人事とは関係のないことです。
こんなことを書かせる市教委が教職員を日ごろどう見ているのかがうかがわれます。教職員にとって大事なのは、表には出ない日ごろの実践です。目の前の子どもたちに向き合いながら、子どもの笑顔のためにがんばっている姿です。
それに対して市教委が書かせようとしている事柄は、授業を自習にして研修に出かけたり、論文を書いたりして得られた事柄ではないでしょうか。こんなことを市教委は、人事の要件として書かせようとしているのです。

不公平な人事が
こうした「実績」のない教職員は人事で不利になる、そう受け取られてもおかしくない項目です。まさに、教育委員会のめがねにかなう者が人事で優遇され、教育委員会の推奨する「実績」のないものは、不利になることが懸念されます。
豊田市異動希望調査票についての申し入れ書.pdf
豊田市人事異動希望調査票.pdf
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posted by kyoro at 20:07| Comment(1) | 教員の人事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Posted by kyoro at 2014年10月14日 08:26
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