2015年03月06日

鳥居裁判勝利 弁護団声明

画期的な勝利を収めた鳥居公務災害裁判
3月3日弁護団の声明文が発表されましたので、全文を紹介します。

鳥居建仁先生公務災害認定訴訟最高裁勝訴
弁 護 団 声 明
2015年3月3日    鳥居建仁先生弁護団 小林 修
                         同         平松清志
                         同         菊地令比等
2015年2月26日,最高裁判所第一小法廷(山浦善樹裁判長)は,鳥居建仁先生の公務外認定処分取消請求訴訟について,地方公務員災害補償基金の上告を棄却し,上告受理申立を受理しない決定をした。
2002年9月13日に鳥居先生が公務の最中に倒れてから実に12年半の時を経て,公務災害が認められることとなった。
一審判決は,鳥居先生のあまりにも過酷な勤務実態を直視した上,公務の質的量的過重性を認め,「もやもや病」についても,たとえ基礎疾患を有しない健康な人であっても脳出血を発症させるおそれのある程度の質的及び量的な過重性があったとして,原告完全勝訴の判決を言い渡した。
一審判決においては,鳥居先生が従事した職務が公務ではなく「ボランティア」であるとする基金側の主張,鳥居先生の脳出血が「もやもや病」の「自然経過」によるものであるとする基金側の主張は完全に退けられた。
基金側は,控訴審において,鳥居先生の勤務実態を全く知らない教員たちの陳述書を膨大に提出し,「自分たちが楽をしていたから鳥居先生も楽をしていたはずだ」とでも言わんばかりの立証に明け暮れた。「もやもや」病についても基金側の立証は一審以上に薄弱なものでしかなかった。
一方で鳥居先生の弁護団は,実際に鳥居先生の仕事をその目で見てきた元同僚,元生徒達,元生徒の母親の生の言葉によって,鳥居先生の過酷な勤務実態を一審の時以上に明らかにしてきた。もやもや病についても,主張と立証を補充し,基金側の主張の誤りを明確にした。
控訴審判決が基金側の控訴を棄却したこと,最高裁が上告を棄却し上告不受理としたことは,極めて常識的な判断である。
また,第一審判決の「教育職員が所定勤務時間内に職務遂行の時間が得られなかったため,その勤務時間内に職務を終えられず,やむを得ずその職務を勤務時間外に遂行しなければならなかったときは,勤務時間外に勤務を命ずる旨の個別的な指揮命令がなかったとしても,それが社会通念上必要と認められるものである限り,包括的な職務命令に基づいた勤務時間外の職務遂行と認められ」るとした,常識的ではあるが画期的な判示は,高裁で承認され,ついに最高裁においても維持された。
この判決が社会に対し,教職員の過酷な勤務を是正する一石を投じることを願ってやまない。
posted by kyoro at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 鳥居労災 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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